公開日 2025年04月09日(Wed)
令和7年4月8日(火)に挙行されました入学式での学校長式辞を紹介します。
令和7年度入学式 式 辞
校内の木々が春の柔らかな陽光を受けて、時を得たりと色鮮やか緑の葉を揺らすさまに、新しい季節の到来を感じさせる今日の佳き日に、PTA会長、同窓会をはじめ御来賓の皆様の御臨席のもと、保護者の皆様方の御臨席を賜り、令和7年度 鹿児島県立川辺高等学校第80回入学式を挙行できますことに深く感謝いたします。
先ほど入学を許可され、晴れて川辺高校の生徒となった57名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。創立125年の歴史と伝統を誇る本校の一員となられたことを祝福いたしますとともに、在校生、職員一同、皆さんを心から歓迎いたします。また、今日の晴れやかな日を待ち望んでこられた保護者の皆様に心からお喜び申し上げます。
さて、高校における学びとは何か。一言で言うと、社会とつながる力を身につけることだと私は考えています。つながるとは、連携する・貢献するということです。南九州の伝統校である本校では、皆さん一人一人が持てる力を最大限に伸ばし、南九州市と連携した取組を行い、地域に貢献することで自己肯定感や自己有用感を身につけ、地域を支え、鹿児島県を支え、さらに日本を支える一員として、学力、体力、コミュニケーション能力などを身につけることを学びの目的としています。
その目的を達成するために、新入生の皆さんは毎日の生活の中で「汝、何のためにここにありや」と自分自身に問いかけながら、自分は将来何をするためにこの学校を選んだのか。そのためにどんな具体的な努力をするのか。それを常に考えながら毎日を送って欲しいと思っています。本校での学びをとおして、自分にはどんな分野の職業が向いているか、将来就きたい職業、やりたい仕事は何か、その答えがきっと見つかるはずです。
皆さんは、あふれんばかりの夢と希望をもって、この川辺高校を選んで入学したと思います。これからの3年間は、将来、社会人として活躍するために、人間的成長を獲得するための3年間です。今日の感動を忘れずに、学業に、部活動に、ボランティア活動に積極果敢に取り組んでいってほしいと願っています。
保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。新しい制服に身を包み、少しばかり緊張したお子様の姿をまぶしく感じておられることと存じます。昨日の自分を今日は越えて成長しようとする、これからのお子様の頑張りを、職員一丸となって支え、導くことをここにお約束いたします。学校、保護者、地域が一体となって、社会性を涵養し、人格形成を図れるよう、保護者の皆様にも学校との連携をさらに深めていただきますようお願いいたします。
さて、この体育館の後ろ側、グラウンドの奥に、小高い丘があります。
この丘は「神戈陵」と呼ばれています。校歌には「見よや希望の陣が丘」と表記されています。この学び舎を巣立って社会に出られた同窓生の心の拠りどころとされている本校のシンボルです。皆さんの三年間の生活を、静かに見守って、うれしいことも、頑張ったことも、すべて見届けてくれることでしょう。
高校生としての生活の中では、今までよりも奥の深い学問に出会い、今まで気づかなかった自分の良さや適性、周囲との関わり方など、多くの経験をすることでしょう。一方で深い悩みに直面する機会もあるでしょう。大切なことは、その瞬間、その瞬間を一生懸命に過ごすことです。「壁というは、できる人にしかやってこない。超えられる可能性がある人にしかやってこない。だから壁がある時はチャンスだと思っている」日米の野球界で殿堂入りする活躍をしたイチロー選手はこう言っています。壁にぶつかったら、自分が成長するチャンスが来た!そう思って対峙しましょう。また、高校生活で一生の友と呼べる友人に出会う人も多くいます。さまざまな活動をともにする学年、クラスメート、先輩、後輩の存在は大きいものです。さまざまな活動をとおして交友を深めてください。
結びになりますが、本日御臨席を賜りました御来賓の皆様をはじめ、本校のあらゆる教育活動に対して、温かい御理解と御支援を頂いております関係各位に、感謝と御礼を申し上げ、式辞といたします。
令和7年4月8日
鹿児島県立川辺高等学校 校長 伊地知健三